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ダメ恋ロマンチカ 【最終回】私の天国って…

あらすじ

主人公のキラキラOL・高見翔子は最近出会った外コン勤務、巻 マリ男に恋をしている。
でも翔子は自他ともに認める「恋愛依存症」男性への痛い行動で付き合っても長く続かない。

大好きなマリくんに告白をされた翔子。
あんなに待ち望んでいたはずだったのに素直にOKできずにいた。

詳しい人物紹介の記事はコチラ→どうしたグルダン?!【新連載告知】
これまでのお話はこちら→【第1話】はじめてのホストクラブ物語
これまでのお話はこちら→【第2話】ホストクラブ行き方編
これまでのお話はこちら→【第3話】歌舞伎町ホストクラブ初回編
これまでのお話はこちら→【第4話】ホストクラブで初指名編
これまでのお話はこちら→【第5話】ホストクラブ初めてのシャンパン編
これまでのお話はこちら→【第6話】初めての同伴編
これまでのお話はこちら→【第7話】初めてのケンカ編
これまでのお話はこちら→【第8話】仲直りシャンパンと初めてのアフター編
これまでのお話はこちら→【第9話】シャンパンタワーと姫様編

最終回「私の天国って…」

久々に朝からそわそわしてしまった。

そして今日も勝負服のマーキュリーデュオのワンピース。
そういえば初めてケンくんのお店に行った時もこのワンピース着てたっけ…
あの日から、私にとってはこれを着る時にはいい事があるジンクスとなった。

今日もきっとそうなりますように…
そう願いを込めながら腕を通した。

大丈夫、今日も最高に似合ってる。

マリくんはいつも通り時間ぴったりにやってきた。
相変わらずスラっとして細身でスーツがとても似合う…。

「おまたせー。行こうか」

そっと私の背中に手を当てる。

マリくんの手はいつも冷たい。

その冷たい手の温度が背中越しにも伝わってくる。

二人で入ったバーは静かで、とても雰囲気がよかった。

私たちは、カウンターで横並びに座った。
顔を見合わせないでだけで落ち着いて話せる気がして安心した。

二杯目のモヒートを半分くらい飲み終えた時、私は意を決した。

「ねぇマリくん、この前の返事なんだけどね…」

「あ、うん。考えてくれた?」

マリくんはこのタイミングで話に入ったのを少しびっくりした様子だった。
でも、もう少し酔っぱらったらどんどんマリくんに飲み込まれてしまいそうで怖かったのだ。

「うん。いっぱい考えた!後悔したくないと思ったから…」

私は改めてマリくんの方に向き直った。
きちんと気持ちを伝えようと思ったからだ。

「あのね、私マリくんと付き合いたいの!…でもね」

「でも?」

マリくんは少し顔をしかめながら首をかしげた。

「私ね、25にもなったし結婚も考えたいんだ。30までに幸せなお嫁さんになるのが夢なの。」

私は小さい頃からお嫁さんというものに憧れていた。

いつか、あの純白のドレスを着てみんなにおめでとうと言われながら結婚式を挙げるのだ。
年齢がいくと肌がくすんで白が似合わなくなると言うじゃないか。

ドレスが似合わないなんて絶対に嫌だ。

「だからね、きちんと将来を考えてほしいなって思って。それは私の次に付き合う人の絶対に譲れない条件なの。」

まっすぐマリくんを見つめたまま気持ちを伝えた。
言い終えた後も私の心臓はドキドキが収まらない。

「翔子の気持ちは分かった。」

マリくんがそっと話し出した。
ますます心臓のBPMが高まる。

「もちろん結婚も考えてる。翔子、俺が絶対に幸せにするよ。」

マリくんのその言葉が嬉しくて自然と涙が出てきた。

あ…嬉しくて流す涙ってこんな感じなんだ。

シャンパンタワーで涙ぐんでた姫様を思い出した。
あの子もこんなに嬉しかったのかな。

どんどんあふれ出る涙を拭いながら嬉しい涙を、私はめいいっぱいかみしめた。

「ねぇ、なんで私に告白しようって思ったの?正直、急でびっくりしたんだよね」

涙をぬぐいながらマリくんに問いかけた。

「マリくんみたいな人は誰かと付き合ったりしないタイプなのかと思ってた。一人で自由気ままみたいな。」

「うーん。最初は俺もそういう感じではあったよ。正直、出会ったばかりの頃は、どこにでも居る普通の子って言うか…怒らないでね」

マリくんがゆっくり言葉を選んでいくのが分かった。

「翔子は俺に対して子犬みたいだったじゃん。少し破天荒だったりしたけど、別に放っておいても俺にしっぽ振ってついてくるみたいな。」

確かに前の私はそうだった。
思い立ったらすぐ行動に出て、冷たくされてもついていく。
まさに忠犬だったと思う。

「なのに突然、連絡があんまり来なくなって。俺がまだ一緒に居ようって誘っても帰るって言ったり、今まで何言ってもニコニコしてたくせに急に怒ったりする様になってさ。」

そうだったのか。
ケンくんに出会えたからできた行動全てが、告白のきっかけだったなんて。

「俺焦ったんだよ。ヤバイ、翔子が居なくなっちゃうかもしれないって。そう思ったら俺自身すごく翔子の事が好きなの分かって。誰にも取られたくないと思った。」

いろいろな気持ちがこみあげてきて私は再び涙が溢れてきた。
ケンくんやったよ。本当にありがとう。

「だから告白して、考えるって言われた時も焦ったよ。もう絶対断られるかと思って、今日来るの怖かった…本当よかった。」

まさかマリくんもこんな思いをしていたなんて。
悩んでいるのはずっと私だけかと思っていたのに。

なんてかわいい人なんだろう。

私もこの人を大切にしなくちゃいけないと心から思った。

今日はマリくんと手を繋ぎながらお店を出た。
いつも冷たいはずのマリくんの手がでんだかすごく温かかった。

そしてその温かな手に触れて、私はケンくんを思い出していた。

これからマリくんを大切にしていくのなら、もうホストに行くのは止めた方がいいのかもしれない。
でも果たして、ケンくんがいなくて私とマリくんは上手くやっていけるのだろうか…。

とうとうこの日が来た。

通いなれた歌舞伎町も今日はなんだか街並みが違って見える。
このお店も何度来ただろうか。

そう考えながらエレベーターのボタンを押した。

「翔子ちゃんおはようー」

テーブルに通されると、ケンくんがかわいい笑顔で挨拶をしてくれる。
これもすっかり慣れた。

「ケンくん!あのね!私マリくんとお付き合いする事になったよ。」

「よかった!おめでとう!」

ケンくんは自分の事の様に喜んでくれた。
そして私はケンくんにマリくんから言われた言葉を全部話した。

「だから全部ケンくんのお陰だよ!ありがとう!」

「そんな事ないよ!翔子ちゃんの魅力の勝利!」

そう言って私に拍手をしてくれた。
モブくんにも、もちろん報告をした。

「僕はこうなるの、ずっと分かってましたよ!こんな可愛い子を放っておくほうがバカです!」

とまで言ってくれた。
確かに、モブくんにはマリくんの事だけでなくケンくんの事までもいろいろ話したな…。
もしかしたら一番私の事を知っていてくれたのかもしれない。

本当にここで私はいろんな物を得たものだ。

帰り際にエレベーターホールまで送ってくれたケンくん。
お店に戻るのを少しだけ呼び止めた。

「そういえばね…私、これを機会にホスト卒業しようかなと思ってるんだ。マリくんの事大切にしたいし。」

私がずっと考えて出した答え。
このままでは私のケンくん依存が高まっていくのも目に見えていた。

「そっかー。それはやっぱり…両立していくのは難しいの?」

ケンくんはしっかり私を見つめながら問いかけてきた。
そんな風に聞かれるとどうしようもなく胸が落ち着かなくなる。

「私器用じゃないからさ…いろいろ一緒にできないんだ。もっと要領良ければよかったのにな。」

この胸のざわめきを笑って誤魔化した。

「でも私、ケンくんなしでマリくんとうまくやっていけるのかな?」

告白をしくれたのも、今まで上手くいったのも全部ケンくんの助言のお陰だと分かった今、私は、ケンくんが居なくなったらマリくんに愛想尽かされてしまうのではないか?
結局私の魅力なんて張りぼてなのではないかと。

そんな不安な表情をしていた私を見てケンくんは私に、ゆっくり語りかけるように話た。

「俺が居なくてもマリくんはきっと翔子ちゃんのありのままを受け止めてくれると思うよ。翔子ちゃんがきちんと本心を言う子だってマリくんも理解してるし、その翔子ちゃんをきちんと受け止めたいて思ったからマリくんだって告白したんだと思うから。」

やっぱりケンくんの言葉を聞くと勇気がもらえる。

「翔子ちゃんと会えなくなっちゃうのは悲しいけど、幸せになってほしいから」

そうだ、幸せにならなくてはいけない。
ケンくんの為にも。

「ありがとう。多分悲しい事や辛い事もあると思うけど、マリくんと付き合うって決めたんだから頑張るね。」

「そうだね、応援してる。どうしても困った事があったらおいで。俺はいつでもここに居るから」

そう言うと、ケンくんがハグをしてくれた。
ケンくんは手だけじゃなくて全てがとっても温かい。

この温もりをずっと忘れたくないな。

きっとこれでいい。

私の新たな天国は自分で築いていかなくてはいけないのだから。

マリくんを取るとは…少し意外だったわ。。

でも確かに目標はマリくんを振り向かせる事ですから。でも浅黒くて自信満々の笑顔を浮かべるマリくんとは僕自身としては応援したくなかったですが。

個人的趣向が出すぎね!ところで女の子がホストクラブに行かなくなる理由って何が多いの?

うーん。王道と言うのは難しいですがいくつか挙げてみますか。

Q.ホストクラブに通わなくなった理由は?

なんとなく連絡が減っていき自然消滅。
売掛をして飛んでしまった。
指名していたホストが退店した。
喧嘩をした。

◆ なんとなく連絡が減っていき自然消滅。
はっきり言ってホスト側の怠慢な事が多いです。
なんとなく連絡が減っていき、そうなるともちろんお客様側のモチベーションも下がってきますね。
そうやって相手に使う時間が極端に減っていくと行かなくなる原因に直結しやすいです。

◆ 売掛をして飛んでしまった。
売掛と言うのはお店に対するツケですね。
本当はきちんと支払わなくてはいけないものなのでこれは絶対やめましょう。

◆ 指名していたホストが退店した。
指名したホストが別の店に移籍する、ホストを卒業するにあたって、一緒に止めるパターンです。
円満の様な、少し悲しい様な…ではありますね。

◆ 喧嘩をした。
カップルの別れと同じで喧嘩は単純に別れに直結します。
翔子はきちんと仲直りできましたが、みんながみんなそうではないです!

理由は様々ね。翔子みたいに彼氏ができたからって人は多くないの?

もちろんそう言う子も居ます。でも彼氏や旦那様が居ても、ホストに息抜きでいらっしゃる人も少なくないですよ。ホストがいい感じに潤滑油になっていると言う話しも聞いたります。

じゃあ逆にホスト側が辞める理由って何が多いの?

こちらもいろいろありますがいくつか挙げてみますか。

Q.ホストを辞めた理由は?

売上が上がらなくて。
他のお店に移りたくて。
ホスト意外の別の仕事をする為。

◆ 売上が上がらなくて。
結局全ての辞める理由がここへ直結してくるのかもしれませんが、8割くらいのホストはこの理由です。
やっぱりホストは売上を上げてナンボですね!

◆ 他のお店に移りたくて
よく見る「電撃移籍」系はこの類です。
お店を変えて成功する人も、失敗する人も多いので一概に良い方法とは言えません。

◆ ホスト意外の別の仕事をする為。
付随して自分で事業を始める為に辞める人も多く居ます。
新たな人生の門出になるならば応援したくもなりますね。

マイナスの意見もプラスの意見もあるわね。

そうですね。元々自分で事業を起こしたくてホストをやっている人が多くいるのも事実なので夢が叶って辞める人も居ます。それは単純におめでたい話しです。

なんかいろいろホストクラブの事を学んだわ!もう初心者とは呼ばせないわよ!

かなりいろいろな話しを踏み込んだので、これが一種のホストクラブに通うバイブルとなる事は間違いないでしょう。ホストとして普段なにげなく使っている言葉も説明するとなると難しいものですね。是非今後ホストクラブに通うつもりの人も、今通っている人もみんなに読んでもらいたいですね。

そうね!今後もわからない事があったら教えてちょうだい。

任せて下さい。僕はいつでもCANDY’S HEAVENに居ますので。

編集後記

いかがでしたでしょうか?
翔子のはじめてのホストクラブ物語。
最後はマリくんと付き合う事になりましたが、賛否両論でした。

マリくんとはくっついて欲しくないとか、いっそもっと泥沼にしてほしいとか…。
でも最初から翔子はマリくんって決めてた様な気もします…。

これを読んで、まだホストクラブに行った事がない人が一人でも多くホストクラブへ足を運んでくれますように。

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