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ダメ恋ロマンチカ 【第6話】初めての同伴編

あらすじ
主人公のキラキラOL・高見翔子は最近出会った外コン勤務、巻 マリ男に恋をしている。
でも翔子は自他ともに認める「恋愛依存症」男性への痛い行動で付き合っても長く続かない。

友人のみちかの勧めで歌舞伎町のホストクラブに始めて行った翔子。
そこで出会ったホスト「ケン」にマリくんとの恋仲を相談している。
ケンくんのアドバイスを実践し、見事成功した翔子。
久々のマリくんとのデートに心浮かれているのだが…

詳しい人物紹介の記事はコチラ→どうしたグルダン?!【新連載告知】
これまでのお話はこちら→【第1話】はじめてのホストクラブ物語
これまでのお話はこちら→【第2話】ホストクラブ行き方編
これまでのお話はこちら→【第3話】歌舞伎町ホストクラブ初回編
これまでのお話はこちら→【第4話】ホストクラブで初指名編
これまでのお話はこちら→【第5話】ホストクラブ初めてのシャンパン編

 

第6話「初めての同伴」

当日ワクワクしすぎて居ても経ってもいられず仕事を早退した。

課長は、ここ何日かの情緒不安定で常人じゃない私の仕事ぶりを見ていたからか、食い気味に早退を承諾してくれた。
挙句、来週も無理に出社しなくても大丈夫だから、とまで言われた…。

東銀座の駅からほど近い、雰囲気のいいビストロでマリくんとご飯。

私は、約束の時間の1時間以上前に待ち合わせの銀座三越前に到着し、デパートのトイレで何度も鏡を見て前髪を直し、巻髪を確認し、徹底的にお化粧を直した。

よし、完璧だ。今日もかわいい。

かわいい私をマリくんだけでなく、ケンくんにも見せたいなと考えた自分が居る事に気がついた。
やばい、やばい。今日はマリくんとのデートに集中しよう。

マリくんが選んでくれるご飯屋さんは、いつもオシャレで美味しい。
もしかしたら、マリくんというスパイスが美味しくさせてくれてるのかもしれないけど。

今日のお店も一段と美味しい!


ご飯も食べて一段落した所で、私はマリくんと次の約束を取り付ける作戦へ出た。
「マリくん、来月の20日って何してる?私、誕生日なんだよね!一緒に美味しい物、食べに行きたいなぁ。」

そう、私は来月25歳の誕生日を迎える。
30歳までに結婚したいと考えている私としては25と言う節目は大切なのである。
そんな大切な誕生日、絶対にマリくんと過ごしたい。

だがマリくんからは歯切れのない返事が返ってきた
「あー来月は、多分ずっと忙しいんだよね。」

多分?ずっと忙しい?

私の大切にしたいと思った日を、スケジュール表で確認をするわけでなく…
1ヶ月近く先の誘いを“多分”なんて曖昧な返答で片付けてしまうのか。

「ごめんね。後でゆっくりお祝いするから。それに別に当日じゃなくていいでしょ?もう誕生日を大切にするような年齢でもないんだし。」

と少し笑いながら答えた。
私の中では大切だ。そんなのマリくんが決める事ではない。

惨めな気持ちになり、何も言い返せないでいると、なぜか私の頭にケンくんの顔が浮かんだ。

ダメだ、ケンくんも応援してくれてるんだし…今までの私なら雰囲気に飲み込まれて何も言えなくなってしまっていたが、今は違う!
ちゃんとマリくんに向き合おう。

「そんな事、マリくんが決める事じゃなくない?私にとって誕生日を誰と過ごすかって凄く大切な事なんだよ?」

思い切って自分の気持ちを伝えた。
その声が予想以上に震えていて自分でもびっくりした。

「だから別日にちゃんとお祝いするから。そんなに誕生日が重要なら、もっと大切な人と過ごした方がいいんじゃない?俺なんかより。」

マリくんは、少しイラっとした口調で答えた。
あ…一瞬でも期待した私がバカだったんだ。

もう口論する気すらなくなった私はトイレに駆け込んだ。

その時、マリくんの会社の前で見た型落ちサマンサ女の顔が頭に浮かんだ。
そんな事ないのに、私の方を見て勝ち誇った顔をして笑っていた気もした。
本当に私、なにしてるんだろう。

溢れてきた涙で前が見えなくなりそうな中、携帯画面に”Ken”の名前がある事に気がついた。
『デートどう?楽しんでるかな?』

あぁ、ケンくんは本当にいつも優しい…私は思わずケンくんにラインをした。

『全然。私の誕生日にデートしたいってマリくんに言ったら断られた…楽しい気持ちも台無しになっちゃったよ。』

そのラインにはすぐ既読が付き、マメホストなケンくんらしく返信もすぐにきた

『え?誕生日なの?それっていつ?翔子ちゃんが嫌じゃなければお祝いしたいな。』

このケンくんからのラインを見て少し気持ちが軽くなった。
そうだ、気を確かに持たないと…頑張れ翔子!

私は自分を鼓舞し、ケンくんのお陰でトイレから席へ戻る事ができた。

戻ると、もうマリくんが会計を終えていてくれたようだ。

「翔子、そろそろ出ようか?このあとウチくるでしょ?」

一緒には居たいが…このタイミングで家に来るのを当たり前のように言えるマリくんにイラっとする。
だが今までの私なら、まだ一緒にいたい気持ちから、シッポを振って付いて行っただろう。

「ううん。今日はもう帰る。」

その私の返答を聞いてマリくんは少しびっくりした様子だった。
なんだかケンくんと出会って私はずっと強くなったような気がする。

誕生日当日の朝、起きるとケンくんから0時丁度にラインが来ていた。
もちろんマリくんから連絡はない。

ケンくんからのラインは、お祝いのメッセージの後にこんな言葉が付け加えられていた。

『今日は時間ないかな?一緒にご飯行かない?その後お店で、こんなにお祝いしてもらった事ないってくらいお祝いするよ!』

今日はマリくんにも断られた、そのショックから予定は何もない。
久しぶりだしお店に遊びにも行こうかな。

『うん行く!何時に集合にする?』
これで私の大切な誕生日に初めての同伴の予定が決まった。

そんな同伴なんて…お店の外でほいほい会って大丈夫なの?みちか意外にも警戒心強いから心配だわ…スタンガンとか持って行かないと!

 

みちかさん、警戒するのはすごく大切ですが大丈夫ですよ。逆に信用が出来ない人とは同伴でなくても付いて行ったりしてはいけません!
同伴と言うのは、お店に出勤前に女の子とご飯やデートをしてからお店に一緒に行く事を言います。
お店に居る時間以外にも一緒に居ると思うと本当にデートですね。

 

お店とは違って二人きりじゃない?それってとってもいいわね!
でもどうせお店に行ったら同伴料って名目で信じられないくらい高額なお金取られるんでしょう?

 

実は、グルダンは同伴料がかからないお店が多いです。
もちろんお店によるのでかかるお店もありますが。でも、その同伴料分以上の物をサービスで付けてくれたりと、割と女の子にも悪くない仕組みになっている所が多いです。
しかもホスト側もメリットになる事が多いのでお互いwin-winになれるかもしれません。
でもこの仕組みは本当にお店によるので、今はグルダンを基準に話してしまいましたが他店は違うので同伴相手のホストに同伴の仕組みを確認してみるのもいいかもしれませんね。

同伴のしくみ ※一例です

※こちらはあくまで例の表となりますので参考程度にご覧下さい。
直接お伺いする事をおすすめします。

もしもグルダンのホストと同伴したいなら優良なシステムになっていると思うので是非!

 

まぁ基準が分かるだけでありがたいわ。
でもここはきちんと相手のホストに確認するのが大切になりそうね。
でもそれを聞いたらちょっと曖昧に答えられて膨大な金額を請求されるんじゃないの?

 

それはないと思いますが、お金の事なのでそもそも曖昧にするようなら同伴するのを止めるべきです。
料金設定もしっかりお客様に説明できないなんてお客様に失礼ですからね。

 

約束の時間の10分前に待ち合わせ場所に着いた。
新宿のオフィス街のビルの下での待ち合わせ。
きっと今日のディナーはここで食べるのだろう。

アホみたいに口を開けてビルの上の方を眺めているとケンくんがやってきた。
「翔子ちゃん、お待たせ!今日もかわいいね!」

久しぶりにケンくんに会うのだから、もちろん今日も私は抜かりない。
しかもお店ではない場所で会うのならますます気合が入る。

外見はただのオフィスビルだったが、ケンくんの予約したお店は予想以上に雰囲気の良いお店だった。
ホストは歌舞伎町から一歩出ると、外の事を何も知らない生き物なのかと思ってた。

ご飯を食べながら、お店の中で居るのと変わらずケンくんと楽しくおしゃべりした。
2時間少しご飯をし、私たちはお店へ移動した。

いつものお店だけど今日はケンくんと一緒に入る…
背筋がピシっとした気がする。

今日はケンくんがテーブルまで案内してくれた。
「翔子ちゃん久しぶりー!今日も可愛いー!」

ケンくんが席から離れた時に、モブくんがやってきた。
「ありがとう、モブくん!髪の毛の色変えたね!そっちのほうが似合うよ」

もうすっかり見知った顔で会話するだけで安心する。
でもモブくんが聞かないものの、いつも会って第一声は“聞いて!マリくんが”だった私が今日はマリくんの話しをしないのを気がついているみたいだった。

ケンくんとモブくんと一緒に話していると突然店内が暗転し
目の前にシャンパンが出てきた。
今まで私の目の前に座っていたモブくんがマイクを持ちシャンパンコールを始めた。

モブくんだけでなく、たくさんのHEAVENのホストたちが集まって来た。
いきなりの様子にイマイチどうしていいのか分からず戸惑っていた私の手をケンくんが握り、モブくんのコールに合わせ合いの手をいれた。

こんなにもたくさんの人にお誕生日をお祝いしてもらった事が過去にあっただろうか…。
しかも、シャンパンコールだけでなくコール中にケーキも私の目の前に運ばれてきた。

そのケーキには「Happy Birthday Shoko」と名前が書かれたプレートが置いてある。

「お誕生日おめでとうございます!カンパイ!」
とマイクでケンくんが喋った後、クラッカーが鳴りみんなでグラスを合わせ一気に飲み干した。
コールがあるだけでシャンパンを飲む気持ちよさがこんなにも違うのか。

最後、コール終わりにケンくんが大きな花束をくれた。
ピンクの花がメインでとてもかわいらしい花束…こんなのをもらったのも始めてだ。
25歳の誕生日が、とても素敵なものになった。

すっかり飲んで盛り上がっている時に、私は時間を確認するために携帯を見ると画面に表示された名前を見て思わずドキっとした。
マリくんからラインが来ていたのだ。

『翔子、お誕生日おめでとう。今日は一緒にお祝いしてあげられなくてごめんね。明日お祝いでご飯でも行けたらと思ったんだけど、予定どうかな?』
いつもなら飛んで喜ぶ内容のラインなのに…なぜか今日はあまり嬉しくない。

「翔子ちゃんどうしたの?」
携帯を眺めながら浮かない顔をしている私にケンくんが聞いてきた。
「マリくんが明日飲もうって…」
そんな私の様子を見てケンくんは
「とうとう形勢逆転してきそうだね。この前ちょっと様子が違った翔子ちゃん見て、マリ男くんも焦ってるんじゃない?」

まさかこんな日が来るとは思わなかった。
私の25歳の幕開けは、予想外な事だらけなものになった。


誕生日にこんなに盛大にお祝いしてもらえるものなの?少し盛ってない?
そんな事ないですよ!
ホストクラブでの誕生日のお祝いは、どこの店舗も思っている以上に派手にお祝いしてくれると思います。
ホストクラブはホストの誕生日にバースデーと言ってイベントを打つように誕生日と言うものをすごく大切にしているんです。お客様への日ごろの感謝の気持ちを伝えるには絶好の日でもありますからね。
でも、これも本当にお店やホスト個人の気配りによるんですよ。
だからできないのも責めてほしくないなと思います。お店の状況などによってお祝いの仕方も多少変化してしまうのも仕方ないので。

 


でもお祝い終わったら膨大なお祝い料金みたいのが取られていてこんなの知らないって言うと後ろから怖いお兄さん出てきて…

 

何度も言いますが、そんなお店ただちに警察に通報してください!
ホストクラブはお客様に非日常の世界を楽しんでもらうものですから。
ここまで盛大に誕生日をお祝いされる事なんてまず日常では、なかなかないと思います!そんな気分が味わえるのもホストクラブならではです!ここに出したサービス以外にもいろいろお祝いしてくれるお店もあったりするみたいですよ。
なるほどね…これもお店によるって事ね。
そうですね。
あと注意していただきたいのが、お見受けするにケンくんは恐らく割と売れているホストなので、同伴でいい所にご飯連れて行ってくるスマートなかっこいいホストですが、みんながみんなそうでない事があるのも伝えておきます。
さすがに入ったばかりの新人がケンくんくらいの事をするのは難しいと思いますし、できなくてもそのホストは悪くないです!ケンくんがいいホストなだけです!

 

誕生日お祝いの小ネタ

お店でお客様へのお祝い代金を徴収しているお店もあるみたいです。事務的なお祝いでなくあなたのためにちゃんとみんながお祝いしてくれているかもしれません。
0時ぴったりの演出してくれるお店もあるみたいです。ただ残念ながら0時と言うのはホストクラブではなかなかの繁忙時間。お店の混雑状況によってはご期待に添えない事があるかもしれないので悪しからず!
自分の名前のオリシャンのプレゼントなんてしてくれるお店もあるみたいです!粋すぎる!

その他、いろいろな事があります!誕生日をホストクラブで過ごすのも悪くないかもしれませんよ。

一口にお誕生日のお祝いと言ってもいろいろお祝いの方法があるみたいです。お客様の大切な日なのでいい思い出を作って笑顔で帰ってくれるのが一番うれしいですからね。

次回予告

念願の誕生日デートの約束をこじつける事ができた翔子。
ケンのお蔭でマリとの間にも少し変化が現れ出す。

次回も見てねー!

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